2025 年 11 月 13 日に、AWS は Amazon Elastic Transcoder のサポートを終了します。2025 年 11 月 13 日以降、Amazon Elastic Transcoder コンソールまたは Amazon Elastic Transcoder リソースにアクセスできなくなります。詳細については、移行に関するブログ記事をご覧ください。
AWS Elemental MediaConvert は、包括的で高度な変換機能を提供する新しいファイルベースの動画変換サービスで、オンデマンドのレートは 0.0075 USD/分からスタートします。詳細はこちら。
既に Amazon Elastic Transcoder を使用していますか。 ステップバイステップの手順とプリセットを変換するスクリプトを含むこのガイドを使用して、MediaConvert に簡単に移行できます。
これまで、メディアファイルの変換には大きく 3 つの理由で手間がかかっていました。1 番目に、高価で、維持や設定に手間のかかる変換ソフトウェアを購入して管理する必要があります。2 番目に、各種デバイスに合った出力を作成するには試行錯誤を繰り返してエンドユーザーの再生環境に適切な変換設定を見つける必要があります。この過程でコンピューティングリソースの無駄が発生します。3 番目に、従来のエンコーディングソリューションでは、ビジネスニーズに応じたスケールアップ/ダウンができません。あらかじめ、必要な容量を見積もって用意する必要がありますが、往々にして投資が無駄になったり (過大な見積もりで容量が未利用のまま放置される場合)、ビジネスに遅れが出たり (過小な見積もりでエンコーディングジョブをすぐに実行できない場合) します。
Amazon Elastic Transcoder により、開発者はウェブベースのコンソール、サービス API、または SDK を使い、入力ファイル、トランスコーディング設定、出力ファイルを指定するトランスコーディングジョブを作成することができます。これにより、次の 3 つの複雑な作業を省くことができます。まず、基本のトランスコードソフトウェアの購入、設定、管理の必要がなくなります。2 番目に、Amazon Elastic Transcoder には各種デバイス向けに事前定義されたプリセットが用意されているので、試行錯誤してデバイスごとに適切な設定を探す必要がなくなります。また、カスタムプリセットにも対応しているので、独自のサイズのビットレートなど、特有の変換要件に合わせて出力を調整することができます。3 番目に、Amazon Elastic Transcoder は作業負荷に応じて自動的にスケールアップ/ダウンするので、容量を無駄にすることがなく、ジョブ完了までの待機時間は最短になります。また、トランスコーディングパイプラインという機能を使って複数のファイルを並行処理したり、トランスコーディングワークフローを整理したりできます。Amazon Elastic Transcoder のパイプライン機能を使えば、各種シナリオ用のパイプラインを設定し、必要なときに必要な方法でファイルを変換することができるので、作業負荷の急増にも効率的かつスムーズに対応できます。例えば、報道機関がニュース速報用に「最優先」トランスコーディングパイプラインを作成したり、ユーザー投稿ウェブサイトで各種デバイス向けに高、中、低の解像度別パイプラインを作成することが考えられます。
Amazon Elastic Transcoder は他のアマゾン ウェブ サービスのスケーラビリティとフレキシビリティを活かして構築されています。トランスコーディングジョブは Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) で実行されます。Amazon EC2 のスケールにより、大規模な変換ジョブも迅速かつ確実に完了します。Amazon Elastic Transcoder は Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) に保存されたコンテンツを処理するので、ライブラリのサイズを問わず、永続的でコスト効率の良いストレージを利用できます。さらに、変換ジョブのステータスを Amazon Simple Notification Service (Amazon SNS) 経由で受け取ることができます。
Amazon Elastic Transcoder は AWS マネジメントコンソール、サービス API、および SDK から利用できるので、独自のアプリケーションやサービスに変換を組み込むことができます。
Amazon Elastic Transcoder の使用方法は次のとおりです。
- トランスコーディングパイプラインを作成し、入力用の Amazon S3 バケット、出力用の Amazon S3 バケットとストレージクラス、およびサービスがファイルにアクセスするための AWS Identity and Access Management (IAM) ロールを指定します。
- トランスコーディングジョブを作成し、入力ファイル、出力ファイル、および使用するトランスコーディングプリセット (定義済みのトランスコーディングプリセットから選択するか (例えば 720 ピクセル)、独自のカスタムトランスコーディングプリセットを作成する) を指定します。 オプションで、サムネイルや、フレームレート、解像度といったジョブ固有のトランスコーディングパラメータを指定できます。
Amazon Elastic Transcoder でトランスコーディングジョブを実行すると、次のことが可能です。
- トランスコーディングジョブのステータスを通知経由で自動受信できます。
- トランスコーディングジョブのステータスを問い合わせることができます。
- トランスコーディングジョブを停止、開始、取り消すことで管理できます。
Amazon Elastic Transcoder は、簡単かつスケーラブルで安価に動画変換を行うために、次の機能を提供します。
- トランスコーディングパイプライン: トランスコーディングパイプラインを使えば、トランスコーディングワークフローを設定して並行処理を行うことができます。柔軟性の高いワークフローを作成する手段として、トランスコーディングパイプラインを使用できます。例えば、短いコンテンツを変換するパイプラインと長いコンテンツを変換するパイプラインを設定したり、解像度別やストレージの場所別にパイプラインを割り当てることができます。
- トランスコーディングジョブ: トランスコーディングジョブは、メディアファイルのフォーマット変換作業を行います。1 つのジョブを使用して、1 つの入力ファイルからビットレートとフォーマットが異なる複数の出力ファイルを作成できます。例えば、多様な解像度とビットレートのレンディションを、同じ入力ファイルから 1 つのジョブで作成できます。音声のみの代替ストリームを作成することもできます。これは、HLS または MPEG-DASH ファイルセットの作成時に頻繁に使用されます。ジョブの作成時に、変換対象ファイル、変換後の出力ファイル名、使用するプリセットなど、Amazon Elastic Transcoder でトランスコーディングを行うために必要な情報を指定します。トランスコーディングジョブはトランスコーディングパイプライン内で実行し、トランスコーディングパイプラインは一度に複数のジョブを実行するので、AWS アカウント内で多くのジョブを同時に実行することができます。
- システムトランスコーディングプリセット: Amazon Elastic Transcoder では、様々なデバイスに最適な変換設定を考えなくて済むトランスコーディングプリセットを用意しています。任意のデバイスで再生可能な出力を作成するプリセットや、特定のデバイスを対象にしたプリセットを選択することができます。互換性を重視する場合は、様々なデバイスで再生可能な出力を作成する「breadth preset」(汎用プリセット) を選択します。品質とファイルサイズを最適化する場合は、特定のデバイスまたはデバイスのクラスに応じた出力を作成する「optimized preset」(最適化プリセット) を選択します。
- カスタムトランスコーディングプリセット: 多くのデバイスやプラットフォームに合ったトランスコーディングプリセットを用意していますが、特定の出力ターゲット向けのプリセットを作成することもできます。カスタムのプリセットを使用すれば、既存のトランスコーディングプリセットをカスタマイズして、リージョン内の AWS アカウントのすべてのパイプラインで使用できます。
- 動画ビットレートの自動最適化: 自動動画ビットレート設定を使用すれば、変換された出力の画像品質を最適化するように Amazon Elastic Transcoder が自動的にビットレートを調整します。最大ビットレートパラメータを使うと、出力ビデオの瞬間ビットレートを制限することができます。この機能を使用すると、特定のデバイスの再生要件に合わせて最大ビットレートを制限した出力ファイルを生成することができます。出力された動画ファイルは見栄えが良く、ファイル全体に 1 つのビットレートを選択していた場合よりも適切に圧縮されています。
- 監視と管理: トランスコーディングパイプラインとジョブのステータスは、AWS マネジメントコンソール、Amazon Elastic Transcoder サービス API、または SDK を使用して表示できます。また、Amazon CloudWatch を使用して、Amazon Elastic Transcoder の動作パフォーマンスと使用状況をモニタリングし、アラームや通知を受け取ることもできます。Amazon Elastic Transcoder は Amazon CloudWatch に対して 9 種類のオペレーションメトリクスを自動的にパブリッシュします。これにより、トランスコーディングワークフローの全体的な状態をより適切に把握でき、追跡しているメトリクスが定義した期間に特定のしきい値を超えた場合にアクションを呼び出すことができます。完了したジョブ、エラーが発生したジョブ、生成された出力の時間、スタンバイ時間、さまざまな API 呼び出しにおけるエラーや調整といったメトリクスをモニタリングできます。このようなメトリクスは、Elastic Transcoder でトランスコーディングジョブが実行されてから数分以内に CloudWatch に表示されます。
- 通知: Amazon Elastic Transcoder では Amazon Simple Notification Service (SNS) を使用してトランスコーディングイベントの通知を送ることができます。トランスコーディングジョブの開始時、完了時、警告の発生時、エラー条件の発生時に通知を受け取ることができます。通知の使用は、トランスコーディングの負荷を監視および管理するための効率的な方法です。Amazon Elastic Transcoder からの変更の通知に頼るだけで、サービスの状態をポーリングしなくても済みます。
- サムネイル: Amazon Elastic Transcoder では出力動画のサムネイルを生成できます。サムネイルのサイズ、アスペクト比、および生成するサムネイルの数などのパラメータを設定することができます。チャプターマーカーを追加したりビジュアルスキャン機能を付けたりする場合や、コンテンツを最もよく表すサムネイルを選ぶ場合は、複数のサムネイルを生成すれば便利です。
- ビジュアルウォーターマーク: Amazon Elastic Transcoder では、出力ビデオに最大 4 つまでの静止画を重ねることができます。出力ビデオにウォーターマークを追加するには、PNG または JPG ファイルを選択し、トランスコーディングプリセットを使ってウォーターマークの位置、スケール、サイズ、および透明度を指定するだけです。この機能を使って、出力ファイルにプログラムやその他の識別ロゴを追加することができます。
- キャプション: Amazon Elastic Transcoder がキャプションをサポートします。キャプションは、プログラムの音声部分を転写したり、音声を別の言語に翻訳して、ビデオに付随するテキストとして表示するプロセスです。Elastic Transcoder を使用して、ビデオを 1 つの形式から別の形式に変換するときに、キャプションを追加、削除、または保持できます。
- フォーマット: Amazon Elastic Transcoder は次の出力フォーマットへの変換をサポートします。
H.264 動画と AAC または MP3 音声を保存した MPEG-2 TS コンテナを使った HLS
H.264 動画と AAC 音声を保存した fmp4 コンテナを使ったスムーズストリーミング
H.264 動画と AAC 音声を保存した fmp4 コンテナを使った MPEG-DASH
MPEG-2 動画と PCM 音声を保存した MXF コンテナを使った XDCAM
H.264 動画と AAC または MP3 音声が保存された MP4 コンテナ
VP9 動画と Vorbis 音声が保存された WebM コンテナ
VP8 動画と Vorbis 音声が保存された WebM コンテナ
H.264 動画と AAC または MP3 音声が保存された FLV コンテナ
MPEG-2 動画と MP2 音声が保存された MPG コンテナ
MP3 音声が保存された MP3 コンテナ
AAC 音声が保存された MP4 コンテナ
Vorbis または FLAC 音声が保存された OGG コンテナ
FLAC 音声が保存された OGA コンテナ
FLAC 音声が保存された FLAC コンテナ
PCM 音声が保存された WAV コンテナ
アニメーテッド GIF
- AES-128 暗号化を使用した HLS: AES-128 暗号化で保護された HLS ストリームを生成できます。このオプションで作成されたジョブは、メディアファイルを暗号化し、プレイリストで復号キーを参照します。Elastic Transcoder で、ジョブオブジェクト (データキーが AWS-KMS マスターキーを使用して保護される) だけでなく、暗号化データキーを SSE-S3 を使用して S3 に直接書き込むようにすることもできます。
- DRM パッケージ: Microsoft PlayReady DRM 用のパッケージをサポートします。Microsoft PlayReady PIFF 1.1 を使用して Smooth Streaming ファイルを保護できます。また、Discretix 3.0.1 for Microsoft PlayReady を使用して HLS 出力を保護できます。トランスコーディングジョブの作成時には、暗号キーと、PlayReady ライセンスプロバイダーから与えられるライセンスサーバー URL が含まれるようにします。
- Encrypted media files: Amazon Elastic Transcoder への入力として暗号化されたメザニンファイルを使用するか、サービスで出力を暗号化することにより、変換されたファイルを保護できます。Amazon S3 によるサーバー側の暗号化との完全に管理された統合から、独自に管理するキーおよび AWS Key Management Service (KMS) を利用して保護するキーまで、さまざまなオプションがサポートされます。さらに、暗号化のサポートは動画ファイルには限定されず、サムネイル、キャプション、さらにはウォーターマークも保護できます。
- オンデマンドメディアのプログレッシブダウンロード: メディアコンテンツのオリジナルバージョンを Amazon S3 に保管し、動画と音声ファイルのプログレッシブダウンロード向けに Amazon CloudFront ダウンロードディストリビューションを設定できます。頻繁にアクセスされるメディアファイルはエッジでキャッシュされるため、拡張が可能であり、ユーザーは高パフォーマンスで利用できます。
- クリップの生成: 開始時間と、オプションで希望するクリップの再生時間を指定することにより、ソースメディアからクリップを作成できます。トランスコーディングジョブの各出力に対して、さまざまな長さのクリップを生成できます (または、ファイル全体をトランスコードできます)。トランスコード出力の再生時間に対してのみ課金されるます。5 分の入力ファイルがあり、そのファイルから 1 分の出力を作成した場合、1 分のトランスコーディングに対してのみ課金されます。
- クリップステッチング: 2 つ以上の入力ファイルをつなぎ合わせて、より長い出力クリップをトランスコードジョブの一部として任意の出力フォーマットで 1 つ作成することができます。このためには、トランスコードジョブの作成時に複数の入力を指定する必要があります。どの入力についても、開始時間と再生時間を指定することで、つなぎ合わせるファイルのサブセクションのみを選択できます。トランスコードの出力再生時間に対して課金されるため、5 分の出力ファイルを 2 つつなぎ合わせて 10 分の出力ファイルを 1 つ作成する場合、10 分のトランスコーディングに対して課金されます。
- 高度な設定: 高度な設定を使用すると、デフォルト値や自動ジョブ、プリセットのパラメータを上書きすることができます。例えば、出力フレームレート、最大ビットレート、および回転を指定または制限したり、特定の H.264 または VP8 プロファイルレベルを設定したりすることができます。
- 複数のリージョン: Amazon Elastic Transcoder は米国東部 (バージニア北部)、米国西部 (オレゴン)、米国西部 (北カリフォルニア)、欧州 (アイルランド)、アジアパシフィック (シンガポール)、アジアパシフィック (東京)、アジアパシフィック (シドニー)、およびアジアパシフィック (ムンバイ) の 8 つの AWS リージョンで利用可能です。
適応ストリーミングにより、ネットワークの状態や CPU の使用状況に合わせてストリームの品質を自動的に切り替えて、ユーザーエクスペリエンスを向上できます。Amazon Elastic Transcoder では、セグメント化された出力レンディションのセットをさまざまな解像度とビットレートで作成し、対応するプレイリストファイルまたはマニフェストファイルも作成します。これらはすべて Amazon S3 に保存されます。Amazon Elastic Transcoder では次の実装をサポートしています。
- HTTP Live Streaming (HLS): Amazon Elastic Transcoder を使用して、HLS プロトコルのバージョン 3 またはバージョン 4 と互換性のある完全な出力セットを作成できます。HLS は、iOS デバイス、Android デバイス、セットトップボックス、およびブラウザベースのプレーヤー向けの配信に広く使用されています。出力を作成したら、Amazon S3 を単独で、または Amazon CloudFront と組み合わせて使用して、メディアファイルを配信できます。
- スムーズストリーミング: Amazon Elastic Transcoder を使用して、フラグメント化された MP4 出力のセットをさまざまな解像度とビットレートで作成できます。また、対応する ISM および ISM マニフェストファイルも作成できます。出力を作成したら、Amazon CloudFront または IIS を使用して、スムーズストリーミングを実装するプレーヤー (Xbox、Windows Phone、および Microsoft Silverlight プレーヤーを使用しているクライアントなど) にメディアファイルを配信できます。
- MPEG-DASH: Amazon Elastic Transcoder を使用して、動画のみの出力のセットをさまざまな解像度とビットレートで作成し、音声のみの出力、対応する MPD マニフェストファイルも作成します。出力を作成したら、Amazon S3 を直接、または Amazon CloudFront と組み合わせて使用して、MPEG-DASH ストリームを配信できます。
このサービスのご利用にはアマゾン ウェブ サービスカスタマーアグリーメントが適用されます。